特定技能「宿泊」とは?業務範囲と採用の流れ

目次

「インバウンド対応に追われているが、人手が足りない」とお悩みではないですか?

訪日外国人の増加を背景に、ホテルや旅館では多言語対応できるスタッフの確保が急務になっています。そんな状況を打開する手段として注目されているのが、特定技能「宿泊」分野での外国人材の受け入れです。

本記事では、特定技能「宿泊」の業務範囲・受入要件・採用の流れを、受け入れを検討している中小企業の採用担当者向けにわかりやすく解説します。

特定技能「宿泊」とは?制度の基本を押さえよう

特定技能(とくていぎのう)とは、2019年4月に創設された在留資格(ざいりゅうしかく=外国人が日本に滞在するための法的資格)の一種です。人手不足が深刻な特定分野において、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。

宿泊分野は制度開始当初から対象となっており、ホテルや旅館などの宿泊施設で働く外国人材を受け入れることができます。2025年6月末時点の在留者数は約1,265人と、他分野と比べてまだ少ない水準ですが、インバウンド(訪日外国人旅行)需要の回復・拡大に伴い、今後の活用が広がると期待されています。

特定技能1号では通算最長5年間、日本で就労することが可能です。宿泊分野は特定技能2号(在留期間の更新制限なし・家族帯同可)の対象分野にも含まれているため、長期的な人材定着を見据えた採用計画が立てられます。

特定技能「宿泊」で担当できる業務範囲

特定技能「宿泊」では、宿泊施設における以下の業務が認められています。

  • フロント業務:チェックイン・チェックアウト対応、予約管理など
  • 企画・広報業務:宿泊プランの企画補助、SNS・広報活動への参加など
  • 接客全般:館内案内、観光情報の提供、多言語対応など
  • レストランサービス:朝食・夕食の配膳、飲食物の提供など

外国語(英語・中国語・韓国語など)のスキルを持つ人材は、インバウンド対応の即戦力として特に期待されます。

受け入れできない施設・業務

一方で、以下の施設や業務は特定技能「宿泊」の対象外となっています。

  • 簡易宿所・下宿(例:民泊施設など)
  • 風俗営業法に規定される施設や接待を伴う業務
  • ベッドメイキングのみをメインとする業務(客室清掃専業は不可)

受け入れを検討する施設が要件を満たすかどうか、事前に確認しておくことが重要です。

採用に必要な要件:外国人材が満たすべき条件

特定技能「宿泊」の在留資格を取得するには、外国人材本人が以下の要件を満たす必要があります。

技能要件:宿泊業技能測定試験の合格

宿泊業技能測定試験(観光庁が指定する試験機関が実施)に合格していることが必要です。フロント業務や接客に関する知識・実務能力が問われます。

日本語要件:N4レベル以上

日本語能力試験(JLPT)N4以上、またはJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)の合格が必要です。N4は「日常的な場面でやり取りできる」程度のレベルで、接客業として最低限のコミュニケーションが可能な水準です。

なお、技能実習2号を良好に修了した人材は、これらの試験が免除される場合があります。

受入企業が準備すること:採用の流れ

特定技能外国人を採用する流れは、大きく以下のステップになります。

  1. 求人・マッチング:有料職業紹介事業者などを通じて候補者を探す
  2. 雇用条件の整備:日本人と同等以上の労働条件を確認・設定する
  3. 支援計画の策定:外国人材の生活・就労を支援する計画を作成する(または登録支援機関に委託)
  4. 在留資格申請:出入国在留管理庁(入管)への申請を行う
  5. 入国・就労開始:在留資格が認められたら入国・勤務スタート

登録支援機関の活用について

登録支援機関(とうろくしえんきかん)とは、受入企業に代わって外国人材の生活支援(住居確保・日本語学習サポートなど)を行う機関です。支援計画の実施を委託することで、採用担当者の業務負荷を軽減できます。

なお、2026年1月の行政書士法改正により、在留資格申請に必要な書類の「作成」は行政書士または弁護士のみが行えることが明確化されました。登録支援機関は書類の「取次(入管への提出代行)」はできますが、書類作成そのものは行えません。書類作成は行政書士へ依頼するか、自社担当者が行う必要があります。

まとめ:特定技能「宿泊」はインバウンド対応の有力な選択肢

特定技能「宿泊」は、フロント・接客・レストランサービスなど幅広い業務に対応できる在留資格です。インバウンド需要が回復・拡大する中、多言語スキルを持つ外国人材の採用は宿泊業の競争力強化にもつながります。

在留者数はまだ少ない分野ですが、それだけ採用競争も激しくなく、今から準備を始めることがチャンスです。制度の詳細や申請要件については、出入国在留管理庁の公式情報もあわせてご確認ください。


特定技能の受け入れについてお悩みの方は、登録支援機関でもあるシャインアーチ株式会社にお気軽にご相談ください。

目次