「清掃スタッフがなかなか集まらない」「高齢化が進んで現場を回すのが難しくなってきた」──清掃業・ビルメンテナンス業を営む企業の担当者の方から、こうしたお声をよくいただきます。
そうした人手不足を解消する手段として注目されているのが、特定技能「ビルクリーニング」分野での外国人材の受け入れです。2025年6月末時点の在留者数は7,418人に達しており、着実に活用が広がっています。
本記事では、特定技能「清掃(ビルクリーニング)」の概要から、受入要件・業務範囲・実務上の注意点まで、採用担当者の方が押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。
特定技能「ビルクリーニング」とはどんな制度?
特定技能(とくていぎのう)とは、2019年4月に創設された在留資格で、深刻な人手不足に対応するために即戦力となる外国人材を受け入れることを目的とした制度です。現在16の対象分野があり、清掃業はそのなかの「ビルクリーニング分野」として位置づけられています。
ビルクリーニング分野における特定技能1号の在留期間は通算最長5年です。さらに高度な技能を持つ人材には特定技能2号への移行も可能で、2号では在留期間の更新制限がなく、家族の帯同も認められます。長期的な人材確保を視野に入れる企業にとって、2号への移行支援も重要な観点となります。
受入企業が満たすべき主な要件
特定技能外国人を清掃業務で受け入れるには、外国人本人の要件と受入企業側の要件の両方を満たす必要があります。
外国人本人の要件
- ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験の合格
- 日本語能力試験N4以上またはJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)の合格
評価試験では、清掃作業に関する専門的な知識や技能が問われます。合格者は現場で即戦力として活躍できる水準にあると判断されます。
受入企業側の要件
- 建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)に基づく登録営業所であること
- 支援計画の策定、または登録支援機関への委託
- 日本人と同等以上の労働条件の確保
特に「登録営業所であること」は清掃分野に固有の要件です。自社が該当するかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
特定技能「清掃」で従事できる業務の範囲
ビルクリーニング分野の特定技能外国人が担える業務は、主に以下のとおりです。
- 日常清掃:床・窓ガラス・トイレ・共用部分などの定期的な清掃
- 定期清掃:ワックスがけ・カーペット洗浄・高所清掃など専門的な作業
- 場所・部位・建材・汚れの種類に応じた洗剤・用具の使い分け
対象となる建物は、事務所・学校・店舗・ホテルなど不特定多数が利用する建築物です。住宅の清掃や、建物の管理・設備保守といった業務は対象外となりますのでご注意ください。
採用前に確認しておきたい実務上のポイント
試験の申し込みは企業が行う
ビルクリーニング分野の評価試験は、外国人個人が申し込むのではなく、受入企業が申し込みを行う仕組みになっています。試験スケジュールや手続きを把握した上で、採用計画を立てることが重要です。
特定技能2号への移行には実務経験が必要
特定技能2号を目指す場合、現場管理の実務経験が2年以上必要とされます。長期的に活躍してもらうためには、1号として採用した段階からキャリアパスを意識した育成体制を整えておくと良いでしょう。
研修体制の整備が定着のカギ
清掃業務には、洗剤の種類・使用する器具・建材への影響など専門的な知識が求められます。外国人材が安心して働けるよう、OJT(職場内訓練)や多言語マニュアルの整備といった研修体制を整えることが、早期離職の防止にもつながります。
支援業務は登録支援機関の活用も選択肢
特定技能外国人を受け入れる企業は、生活や就労に関する支援計画を策定し、実施する義務があります。社内リソースが限られる場合は、登録支援機関(とうろくしえんきかん)に委託することも可能です。登録支援機関とは、受入企業に代わって外国人の生活・就労支援を行う機関のことです。
なお、2026年1月の行政書士法改正により、在留資格申請書類の「作成」は行政書士・弁護士のみが報酬を得て行えることが明確化されています。登録支援機関は書類の「取次(入管への提出)」は行えますが、書類作成は専門家に依頼する必要がある点にご注意ください。
まとめ:清掃分野での特定技能活用は着実に広がっています
特定技能「ビルクリーニング」は、深刻な人手不足が続く清掃業にとって有効な人材確保の手段です。受入要件や業務範囲・試験手続きなど確認すべき事項は多岐にわたりますが、正しく制度を理解して活用することで、安定した労働力の確保が期待できます。
採用を検討する際は、登録支援機関や行政書士と連携しながら、適切な準備を進めていくことをおすすめします。
特定技能の受け入れについてお悩みの方は、登録支援機関でもあるシャインアーチ株式会社にお気軽にご相談ください。

