特定技能の受け入れ費用、事前に把握できていますか?
「特定技能外国人を採用したいけれど、費用がどのくらいかかるのかわからない」「思わぬコストが発生して困った」——そのようなお声を受入企業の担当者からよくいただきます。
特定技能(とくていぎのう)とは、2019年に創設された在留資格で、即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。採用から入国、就労開始後まで、さまざまな段階でコストが発生します。この記事では、受入費用を段階ごとに整理し、把握しておくべきポイントをわかりやすく解説します。
①採用にかかる費用
有料職業紹介を利用する場合
特定技能人材を採用する際、多くの企業が有料職業紹介事業者(人材紹介会社)を活用します。この場合、採用が成立したときに「紹介手数料」が発生します。紹介手数料の相場は採用した人材の想定年収の20〜30%程度とする会社が多いですが、定額制を採用している業者もあります。費用感は事業者によって大きく異なるため、複数社に見積もりを取ることをおすすめします。
技能試験・日本語試験の受験料
特定技能1号を取得するには、分野ごとの技能試験と日本語試験(日本語能力試験N4相当以上、または国際交流基金日本語基礎テストへの合格)が必要です。試験の受験料は数千円〜数万円程度で、海外で受験する場合は現地での費用となります。企業が受験料を負担するケースもありますが、費用負担の方針は事前に明確にしておきましょう。なお、技能実習2号を良好に修了した外国人は、これらの試験が免除される場合があります。
②在留資格申請にかかる費用
行政書士への書類作成費用
特定技能の在留資格を取得・更新するには、出入国在留管理庁(入管)への申請書類の作成が必要です。2026年1月1日に施行された改正行政書士法により、報酬を得て在留資格の申請書類を作成できるのは行政書士または弁護士のみとなりました。登録支援機関は書類の「取次(入管への提出代行)」はできますが、「書類作成」は行うことができません。
行政書士への依頼費用は、新規申請の場合で5万〜15万円程度が目安とされていますが、事務所や対応内容によって異なります。必ず有資格者に依頼するようにしてください。
申請手数料(収入印紙)
在留資格の認定・変更・更新申請には、入管への手数料(収入印紙)が必要です。金額は申請の種類によって異なりますが、数千円〜数万円の範囲です。最新の手数料額は出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。
③登録支援機関への委託費用
登録支援機関(とうろくしえんきかん)とは、受入企業に代わって外国人の生活支援や就労支援を行う機関のことです。受入企業は支援計画を自社で策定・実施するか、登録支援機関に委託するかを選択できます。
委託する場合の費用相場は月額1〜3万円程度(1名あたり)が一般的ですが、支援内容や機関によって異なります。支援業務には、生活オリエンテーションの実施、住居確保のサポート、日本語学習の機会提供、相談窓口の設置などが含まれます。なお、登録支援機関の本来の役割はあくまで「生活支援業務」であり、在留資格申請書類の作成ではありません。
④入国前後にかかるその他の費用
渡航費・住居確保費用
海外から人材を招へいする場合、渡航費(航空券代など)が発生します。この費用を企業が負担するかどうかは労使間の合意によりますが、渡航費の立替が保証金的な性質を持つ形となると問題になる場合があります。費用負担の取り扱いは事前に専門家にご相談ください。
また、住居を会社が用意する場合は、敷金・礼金・家賃などの初期費用がかかります。住居確保のサポートは支援計画に含まれる業務であり、登録支援機関と連携して対応するケースが多いです。
健康診断費用
就労開始にあたり、健康診断が必要になる場合があります。費用は数千円〜1万円程度が一般的です。雇入れ時健康診断は労働安全衛生法上の義務でもあるため、日本人採用と同様に対応が必要です。
費用の目安まとめと注意点
特定技能外国人の受け入れにかかる費用を大まかに整理すると、以下のとおりです(あくまで目安であり、業者・分野・状況によって大きく異なります)。
- 紹介手数料:想定年収の20〜30%程度(定額制の場合は事業者による)
- 行政書士費用:5万〜15万円程度(新規申請の場合)
- 登録支援機関の委託費:月額1〜3万円程度(1名あたり)
- その他(渡航費・健康診断・住居初期費用など):数万〜十数万円程度
なお、特定技能外国人に支払う賃金は、日本人従業員と同等以上であることが求められています。採用コスト以外にも、毎月の人件費・社会保険料なども含めた総コストを事前に試算しておくことが重要です。
また、外食業分野については2026年4月13日より特定技能1号の新規受け入れが原則停止となっています。外食業での採用を検討していた場合は、農林水産省のウェブサイト等で最新情報をご確認ください。
まとめ
特定技能の受け入れには、採用・申請・支援・入国準備など多岐にわたるコストが発生します。費用の全体像を事前に把握し、信頼できるパートナーを選ぶことが、スムーズな受け入れの第一歩です。
特定技能の受け入れについてお悩みの方は、登録支援機関でもあるシャインアーチ株式会社にお気軽にご相談ください。

