ネパール人ドライバーの採用を検討しているが、MOCって何?どんな手続きが必要?
「特定技能でネパール人のドライバーを採用したいが、MOCという言葉が出てきて何のことかわからない」「手続きが複雑で何から始めればいいかわからない」とお悩みではないですか?
2024年に自動車運送業が特定技能の対象分野に追加されたことで、トラックドライバーや路線バスの運転手などを外国人材で補いたいという企業からの相談が増えています。なかでもネパール人材は日本語能力が高く定着率も良いとして注目されています。
本記事では、特定技能でネパール人材を採用する際に必要なMOC(二国間協力覚書)の概要と手続きの流れを、採用担当者の方にわかりやすく解説します。
MOCとは?特定技能における二国間協力覚書の役割
MOCとは「Memorandum of Cooperation(二国間協力覚書)」の略称で、日本政府と外国人材を送り出す国の政府が締結する協定です。特定技能制度において、外国人材が適正に保護されながら就労できるよう、両国政府が協力体制を整えることを目的としています。
MOCを締結している国からの特定技能外国人を受け入れる場合、日本側の企業や支援機関はMOCの枠組みに沿った手続きを踏む必要があります。具体的には、送り出し機関(現地の人材紹介機関)がMOC上で認定・登録された機関であることが条件となります。
日本はネパールとも特定技能に関するMOCを締結しており、ネパール政府(労働・雇用・社会保障省)が認定した送り出し機関を通じた採用が求められます。
自動車運送業(ドライバー)分野の特定技能とは
2024年に新たに追加された自動車運送業分野では、以下の業務が対象となっています。
- トラック(貨物自動車)の運転業務
- バス(路線バス・観光バスなど)の運転業務
- タクシーの運転業務
この分野で特定技能1号として働くためには、日本の運転免許(業務に対応した免許種別)の取得が前提となります。ネパールで取得した免許は日本では使用できないため、来日後に日本の運転免許を取得する必要があります。
また、技能試験(自動車運送業技能測定試験)と日本語試験(日本語能力試験N4相当以上または国際交流基金日本語基礎テスト)への合格も必要です。ネパールでは日本語学習に熱心な人材が多く、N4・N3レベルの取得者も少なくありません。
ネパールからの採用におけるMOC手続きの流れ
ネパール人材を特定技能ドライバーとして採用するまでの大まかな流れは以下のとおりです。
① ネパール政府認定の送り出し機関を選定する
MOCの枠組みに基づき、ネパール労働・雇用・社会保障省が登録した送り出し機関(リクルートメント・エージェンシー)を通じて採用活動を行う必要があります。未登録の機関を経由した場合は在留資格申請が認められない場合があるため、事前の確認が重要です。
② 候補者の技能試験・日本語試験の受験
ネパール国内または指定会場で、自動車運送業の技能測定試験と日本語試験を受験します。試験スケジュールや会場については、試験実施機関(一般社団法人日本自動車運送技術協会など)の公式情報をご確認ください。
③ 雇用契約の締結と在留資格申請
試験合格後、受入企業と候補者の間で雇用契約を締結します。その後、出入国在留管理庁(入管)へ在留資格認定証明書交付申請を行います。
この際、申請書類の「作成」は行政書士または弁護士のみが報酬を得て行えます。2026年1月1日の行政書士法改正により、登録支援機関などが書類作成を有償で代行することは明確に違法となりました。書類作成を外部委託する場合は、行政書士への依頼が必要です。
④ ネパール政府側の出国手続き(DOFEへの登録など)
ネパールでは、海外で就労するネパール人材はDOFE(外国雇用局)への登録・許可が必要です。送り出し機関がサポートしますが、受入企業もこの手続きの存在を理解しておくと、採用スケジュールの見通しを立てやすくなります。
⑤ 来日・運転免許取得・就労開始
在留資格認定証明書が発行されたら、ネパールの日本大使館でビザを取得し来日します。来日後は日本の運転免許試験を受験し、合格後に業務に就くことになります。運転免許試験の準備期間を採用計画に織り込んでおくことが大切です。
ネパール人材を受け入れる際の注意点
ネパール人材を受け入れる際は、制度的な手続きに加えて、文化・生活面への配慮も定着率に大きく影響します。
- 食事面の配慮:ネパール人の多くはヒンドゥー教を信仰しており、牛肉を食べない方が多いです。社員食堂や弁当手配の際にはメニューへの配慮が必要です。
- 宗教・文化行事の理解:ダサインやティハールなどネパール暦の祝日があります。休暇取得の相談に柔軟に対応できると、信頼関係の構築につながります。
- 日本語コミュニケーション:ネパール人材は日本語能力が比較的高く、職場での意思疎通はスムーズなケースが多いです。
まとめ:MOC手続きを正しく理解して採用をスムーズに進めよう
特定技能ドライバーとしてネパール人材を採用するには、MOCの枠組みに基づいた認定送り出し機関の利用、技能・日本語試験の受験、在留資格申請、ネパール側の出国手続きと、複数のステップを順に進める必要があります。特に書類作成の法的ルールや、来日後の運転免許取得期間は、採用計画を立てるうえで見落とされがちな点です。
手続きの詳細は出入国在留管理庁や各試験実施機関の公式情報を都度ご確認ください。
特定技能の受け入れについてお悩みの方は、登録支援機関でもあるシャインアーチ株式会社にお気軽にご相談ください。

