技能実習と特定技能の違いとは?企業向けに比較

「技能実習と特定技能、どちらで採用すればいいの?」「そもそも何が違うの?」

外国人材の採用を検討している中小企業の担当者の方から、こうした声をよく聞きます。名称が似ているうえ、どちらも外国人が日本で働く制度として混同されがちですが、制度の目的や仕組みは大きく異なります。本記事では、技能実習と特定技能の違いを整理し、企業の採用実務に役立つポイントをわかりやすく解説します。

目次

技能実習制度とは?国際貢献を目的とした制度

技能実習制度(ぎのうじっしゅうせいど)は、「日本で習得した技能を母国に持ち帰り、発展途上国の発展に貢献する」という国際貢献を目的として設けられた制度です。在留期間は原則3年(条件を満たせば最長5年)で、受け入れた企業のもとで技能を習得することが前提のため、原則として企業間の転籍(転職)は認められていません

ただし、この制度は「働き手の確保」として活用されている実態と、「国際貢献」という制度目的がかみ合っておらず、長年にわたり問題点が指摘されてきました。

技能実習制度は2027年4月に廃止予定

こうした背景から、技能実習制度は2027年4月1日に廃止され、新たに「育成就労制度(いくせいしゅうろうせいど)」へ移行することが決まっています。育成就労制度では国際貢献から「人材育成・確保」へと目的を転換し、一定の条件を満たせば本人の意思で転籍することも可能になります。

特定技能制度とは?即戦力の確保を目的とした制度

特定技能(とくていぎのう)は、2019年4月に創設された在留資格です。深刻な人手不足に悩む産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としており、対象は介護・建設・農業・飲食料品製造業など2026年時点で16分野にわたります。

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。

  • 特定技能1号:通算最長5年まで就労可能。日本語試験・技能試験の合格が必要(技能実習2号修了者は試験免除)。家族帯同は不可。
  • 特定技能2号:在留期間の更新に上限なし(事実上の長期就労が可能)。家族帯同も認められる。より高度な技能水準が求められる。

技能実習との大きな違いは、同一分野内での転職が認められている点です。労働者自身が条件に合う企業を選んで働くことができます。

技能実習と特定技能の違いを比較

2つの制度の主な違いを表で確認しましょう。

比較項目 技能実習 特定技能1号
制度の目的 国際貢献・技能移転 人手不足の解消・即戦力確保
在留期間 最長5年 通算最長5年
転職の可否 原則不可 同一分野内であれば可
日本語・技能試験 不要(入国後に研修) 原則必要(実習2号修了者は免除)
家族帯同 不可 不可(2号は可)
今後の見通し 2027年4月に廃止予定 制度拡充が継続

2027年以降は「育成就労→特定技能」の流れが主流に

技能実習制度が廃止される2027年4月以降は、「育成就労(3年)→特定技能1号(最長5年)→特定技能2号」というキャリアパスが外国人材の採用・定着における主流の流れになると考えられています。

つまり、今後は特定技能制度を中心とした採用戦略を早めに整えることが企業にとって重要です。特定技能の仕組みを理解し、支援体制を整えておくことが、長期的な人材確保につながります。

特定技能外国人を受け入れる企業は、生活支援などを行う「支援計画」の策定が義務付けられています。この業務を専門家に委託する際は、「登録支援機関(とうろくしえんきかん)」と呼ばれる機関を活用する企業が多くあります。

なお、2026年1月の行政書士法改正により、在留資格に関する申請書類の作成は行政書士・弁護士のみが行うことができます。登録支援機関は書類の「取次(入管への提出)」はできますが、作成はできません。書類作成と支援業務を適切に分けて依頼することが重要です。詳細は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。

まとめ

技能実習と特定技能の違いを整理すると、以下のようになります。

  • 技能実習は国際貢献を目的とした制度で、2027年4月に廃止予定
  • 特定技能は即戦力確保を目的とし、同一分野内での転職が認められる
  • 今後は「育成就労→特定技能1号→特定技能2号」のキャリアパスが中心になる
  • 書類作成と支援業務の役割分担を正しく理解して依頼することが大切

外国人材の採用を検討している方は、制度の仕組みを正しく理解したうえで、自社に合った受け入れ方法を選ぶことが重要です。

特定技能の受け入れについてお悩みの方は、登録支援機関でもあるシャインアーチ株式会社にお気軽にご相談ください。

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