「インバウンド需要が回復しているのに、スタッフが足りない」「外国語対応できる人材を採用したいが、どこから始めればいいかわからない」——そんなお悩みを抱えているホテル・旅館の採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
特定技能「宿泊」分野では、即戦力となる外国人材をフロント業務や接客など幅広い業務で活用できます。なかでも近年注目されているのが、ネパール人材です。この記事では、特定技能宿泊分野でネパール人材を受け入れる際のポイントを詳しく解説します。
特定技能「宿泊」とはどのような在留資格か
特定技能(とくていぎのう)とは、2019年4月に創設された在留資格です。深刻な人手不足に対応するため、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。宿泊分野は対象16分野のひとつで、ホテルや旅館での幅広い業務が認められています。
特定技能1号は通算最長5年の在留が可能で、所定の試験に合格した人材が対象です。宿泊分野で就労するには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
- 宿泊業技能測定試験の合格
- 日本語能力試験N4以上、またはJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)の合格
特定技能1号で従事できる業務は、フロント業務・企画・広報・接客全般・レストランサービスなど多岐にわたります。一方で、簡易宿所・下宿での受入れや、風俗営業法に規定される施設・接待業務は対象外となっています。また、ベッドメイキングのみをメイン業務とすることも認められていません。
ネパール人材が宿泊分野に向いている理由
ネパールは、特定技能・技能実習ともに日本への送り出し実績が多い主要な国のひとつです。宿泊分野を含む特定技能試験の合格者数も多く、即戦力となる人材を確保しやすい環境が整っています。
日本語能力が高く、コミュニケーションがスムーズ
ネパール人材は日本語学習に熱心な方が多く、試験レベル以上の日本語力を持つ人材も少なくありません。フロント業務や接客など、お客様と直接やり取りする場面でも、比較的スムーズにコミュニケーションが取れるのは大きな強みです。
外国語スキルで多言語対応が可能
インバウンド需要が高まるなかで、英語や中国語など複数言語に対応できるスタッフは貴重な存在です。ネパール人材の多くは英語にも堪能で、外国語対応の即戦力として活躍が期待できます。
長期就労志向で定着率が高い
ネパール人材は長期就労を希望する方が多く、採用後の定着率が高い傾向があります。人材育成に投資しやすいという点で、中小規模のホテルや旅館にとっても大きなメリットとなります。
受け入れ前に知っておきたい文化的配慮
ネパールはヒンドゥー教徒が多く、宗教上の理由から牛肉を食べない方が多い点に注意が必要です。社員食堂や賄い食がある場合は、牛肉不使用の選択肢を用意するなどの配慮をすると、スタッフの安心感につながります。
また、ネパールには「ダサイン」「ティハール」などの独自の祝日があります。こうした文化や宗教行事への理解を示すことで、職場への帰属意識が高まり、定着率の向上にもつながります。強制ではなく、できる範囲での配慮として取り組むことが大切です。
受入企業が準備しておくべきこと
特定技能外国人を受け入れるには、分野ごとの基準を満たすほか、外国人材への支援計画を策定する必要があります。支援業務は自社で行うか、登録支援機関(とうろくしえんきかん)に委託することができます。登録支援機関とは、受入企業に代わって外国人の生活・就労支援を行う専門機関です。
なお、2026年1月1日に行政書士法が改正され、報酬を得て在留資格の申請書類を作成できるのは行政書士・弁護士のみと明確化されました。登録支援機関は書類の取次(入管への提出)は行えますが、書類の作成は行政書士等に依頼するか、自社担当者が行う必要があります。この点は受入前に確認しておきましょう。
受入要件の詳細については、出入国在留管理庁の公式ガイドブックをご参照ください。
まとめ
特定技能「宿泊」分野でのネパール人材の受け入れは、インバウンド対応の強化や慢性的な人手不足の解消に有効な手段のひとつです。日本語能力の高さ・多言語対応力・定着率の高さなど、多くの強みを持つネパール人材を、ぜひ自社の戦力として検討してみてください。文化的配慮や法令上の手続きをしっかり把握したうえで、計画的に準備を進めることが大切です。
特定技能の受け入れについてお悩みの方は、登録支援機関でもあるシャインアーチ株式会社にお気軽にご相談ください。

